ケイ素とは



ここ最近、ケイ素が美容や健康などの方面から注目を浴びるようになってきました。そのケイ素(珪素=シリカ)とは、いったいどんなものなのか、いろいろとここに書いていきたいと思います。
ケイ素について、フランスの細菌学者ルイ・パスツールは、「ケイ素は治療の世界で大きな役割をはたす」といっており、また20世紀になって、性ホルモンの研究でノーベル賞を受賞(1939年)したドイツの生化学者アドルフ・ブーテナントは、「ケイ素は、今日も太古の昔も、生命の発生に決定的に関わり、生命の維持に必要不可欠なものである」と述べています。
ケイ素はそのミネラルの1種です。ケイ素は人体において爪、骨、毛髪、血管、脳、筋肉、皮膚、肝臓、腎臓、胸腺などありとあらゆる部位に存在し、細胞内部のミトコンドリアの材料になり、働きを強化したりしています。中でも皮膚にはその多くが含まれています。また、研究の結果、骨粗しょう症との関係性も明らかになってきました。強くて丈夫な骨を作るためにはカルシウムが不可欠ですが、そのカルシウムを体内に効率よく吸収させるためのカギをケイ素が握っているのです。骨は、体の土台なのでとてもこれはとても重要なことですね。さらにコラーゲンの生成をサポートする働きがあるため、肌の弾力が保たれるのにも役立ちます。
残念なことにこのケイ素、年齢とともに体内では蓄えが減っていってしまいます。人体のケイ素のピークは20歳を境に能力が低下。年齢を重ねるとともに意識して摂り入れるようにしないと体内のケイ素はどんどん減っていってしまうのです。ケイ素は人体にとってとても有益な作用があるので、美容や健康のためにも不足分は補いたいところです。

ケイ素の不足で、骨やコラーゲンに異常!?


ケイ素欠乏した動物には様々な問題が起こる事がわかっています。

ニワトリがケイ素不足で育つと、とさかや皮膚粘膜、脚部の蒼白などが見られ、頸部肉垂が減少、関節の形成不全、頭蓋骨の異常など、様々な成長障害が起きるそうです。ラットにおいても、骨の成長障害、化骨や骨皮質の異常などの様々な成長障害が起きているそうです。

こうした科学的な実験が繰り返され、ケイ素の重要性が解明され、人間にとってもケイ素は必要不可欠な栄養素であることがわかってきたのです。これまでの研究で、人間の体におけるケイ素不足は、次のようなトラブルが起きやすいようです。

  • 骨粗しょう症の進行・骨粗しょう症による骨折
  • 爪が割れる
  • 切れ毛・白髪・薄毛
  • 老化の進行による皺・しみ
  • 偏頭痛
  • 静脈瘤・動脈硬化
  • ED
  • 認知症の進行・悪化等

ケイ素は全身の組織、臓器の材料なので、ケイ素不足は多種多様な健康問題の原因、あるいは誘因、遠因になっています。逆を考えれば、ケイ素の摂取を意識することで、こうしたトラブルを未然に防いだり、健康の回復につなげることができそうですね。

強い抗酸化力で体快適!



抗酸化力とは、あらゆるものが酸化するのを抑える力です。酸化とはよく鉄などのサビにたとえられますが、実際にも同じで、物質がサビて劣化、老化する現象です。
近年、活性酸素の害がよく取り上げられていますので、ご存知の方も多いと思います。酸素は重要な物質ですが、同じ酸素でも電子の過不足で不安定になった活性酸素は、人間の体の様々な箇所を傷つけ、病気や老化の大きな原因となっています。
ではなぜ活性酸素などというよろしくない物質が存在するのでしょうか?
その基本となるのが呼吸です。私たち人間が呼吸によって酸素を体内に取り込むと、その多くは代謝のために使われます。食事で摂取した糖をブドウ糖に変えたり、たんぱく質をアミノ酸に分解するなど、栄養をエネルギーにしたり蓄えたりする時に酸素が必要なのです。しかし酸素の一部は、自動的に活性酸素に変化してしまうのです。他にも、紫外線や人工的な化学物質、電磁波などでも発生するようです。
たとえば、がん、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病は、活性酸素が細胞、あるいはその中にある遺伝子を傷つけることが病気の引き金になっているとも言われています。ですから、こういった病気を防ぐには、生活習慣を変えて活性酸素があまり発生しないようにすることや、抗酸化物質、つまり酸化を防ぐ物質を積極的に補充していくことが必要になってきます。
そこでケイ素が役立つのです。
ケイ素は強い抗酸化力がある物質であり、全身の臓器、組織が活性酸素で酸化されるのを防ぐことができるそうです。ですからケイ素は、人間の全ての組織、臓器の構成要素であり、そのための必須栄養素でもあり、そこから加えて様々な生活習慣病の引き金となる活性酸素の害を防ぐ抗酸化物質でもあるということです。